少欲知足
いよいよ夏本番だ。梅雨明けが宣言されと聞くと、猛烈な暑さを感じる。
確かに蒸し暑くて、熱中症になりそうだ。
横浜市関内にある大手の会社の社長にお会いする機会を頂いた。
「少欲知足」という諺を、あらためて考えるきっかけとなった気がする。
フランスの諺に「良いものの敵は、より良いものである」というのが有る。
ご婦人が高価な宝石を見せられれば、たちまち自分の宝石が色褪せてくる。困ったものである。
実は、仏教の言葉に・・・トリシュナー・・・がある。
これは、喉の渇きを意味するサンスクリット語で渇愛(かつあい)を意味する。喉が渇いた時に激しく水を求める様である。
そのような渇愛状態にあって、真水がなくて海水を飲んだらどうなるか。海水を飲んだら、喉の渇きを鎮めるどころか、ますます渇きを激しくする。
これと同様、我々の欲望はそれを充足させることでは解消することはできない。
年収1千万円が欲しいと思っていた人が、1千万円を達成すると、1500万円欲しいと思い始める。
欲望を充足させると、欲望がますます増大する。どこまで行っても、これで十分という限界はない。
どうすればいいのか。簡単なことだが難しい。
欲望を少なくすれば良いのだ。そして、与えられているもので、これで十分と満足し、感謝の気持ちを忘れないことだ。
これを仏教では「少欲知足」(欲を少なくし、足るを知る心)と言う。