自然の教え
今年の夏は異常と言えるほど暑かった。
暑い盛りの間は、本当に涼しい秋がやってくるのだろうか、と思ってしまう。
昨日などは昼間でも寒いぐらいの気温だった。 暑さ寒さも彼岸までとはよく言ったものだ。
冬の寒さにしてもそうである。 初冬の時期はまだ寒さに慣れていない。
そんな時に、急な寒波がやって来たりすると、これから数ヶ月続く冬の寒さに耐えられるかどうか不安になることもある。
季節が進むにつれ、体が寒さに慣れてくる。
そして、どんな厳冬期でも耐えられるようになる。
体の中でも絶えずフィードバック機能が働いている。
人間は生を受けた時から、自然に順応するようになっているのだ。
いくら厳冬の中でも、暖かさの春は期待できる。
それは毎年、確実に繰り返されてきた春の到来を知っているからだ。
自然の摂理は、どんな科学の力をもってしても変えることはできない。
それでも人間はしばしばそれを忘れ、科学の力で苦痛を和らげる手段を講じてきた。
この事が人間から忍耐力を奪っているのであろう。
大自然の摂理の中に生きる人間は、ちっぽけな存在だ。