私はナマコになりたい
働けど働けど、我が暮らし楽にならず、じっと手をみる。
どうしてこうも上手くいかないのであろうか。
こんな時、南の浜辺で悠然と砂を食いながら、悠久の時を生きているナマコが羨ましい。
そもそもナマコとは、どんな生き物かを調べたので書いてみたい。
ナマコは浜辺で日がな一日寝転がって、栄養のほとんどない砂を食べて生きているのである。
砂と一緒に飲み込んだ海藻の切れ端や有機物の粒子、バクテリアなどを消化吸収している。
また、ナマコは表皮を硬くしたりグニャグニャにしたりと変幻自在。
普段は表皮を硬くして身を守っているが、魚に食いつかれた時はその部分を柔らかくして食いちぎらせる。
この時、このわた(腸)まで吐き出すのである。 このわたを魚が喜んで食べている間に逃げるのだ。
1~2週間もすれば腸は再生して元通りになる。
何も望まず、争わずに生きることでナマコにとっては「楽園」なのであろう。
私は貝ではなく、ナマコになりたい。