理論と情

「ある商店の店先を覗き込んでいた貧しい身なりの老人が、つい出来心から並べられた商品を盗んでしまいました」

あなたがそれを目撃したら、どうしますか?

さる高名な数学者の講演会で聞いた話を思い出した。

 世の中では「犯罪者として警察へ」「お気の毒に。見て見ぬふり」の二通りがある。

盗むという行為は犯罪者として扱われても当然だ。が、・・・。

 同じ行為を目撃しても、論理を優先させるか、情緒を優先させるかで、結果は違ってくる。

往々にして、秀才と言われる人は論理的で血も涙もない事が多い。

反面、秀才で無い人は他人の不幸に対する敏感さを、持ち合わせている場合が多いように思う。

この敏感さが情緒で、夕焼けの美しさを観て感動する心、周囲と調和を保って生きようとする気持ちだと思う。

この2週間のH社の対応を観ていて、「情」には感情、心情等の「気持ち」を表現するものだ。

一方、理情、論情等の言葉は存在しない。

「情」=心の青さを表す言葉である。

海と気候

インドネシアのバリ島で日本人女性7人が遭難して4日経ったので 、ひょっとしたら駄目かも思っていたら5人が救助されたとの報道。

細部は分らないが、この報道と大雪の被害が関係あるように思えてならない。

先週からの大雪と種々の用事が重なって、ホテルや事務所暮らしが続いている。

小生の自動車は駐車場で雪に埋もれて、寒さに震えている事であろう。(見ることもしていない)

 地球の気候が何か変化しているように思う事は、様々な現象で変化を感じることが多い。

これには様々の説があるが、ミシュレという人が説いている「地球の環境は海が決定している」を思い出す。

それは、「海は地球に流れる血液と心臓」と位置付けると解りやすいというのだ。

「海水」=「生命の乳」であり、赤道が心臓の役目で暖流が動脈、寒流が静脈だと。

何かこの機能に動脈硬化を発症しているのではないかな。

 

 

人間は保守的

香港から帰国しているS氏と八王子の宿に泊まった。

朝起きたら雪が降っているではないか。

予報通りではあるが、2週続きの大雪は無いだろうと、考えていた節もあった。

予約していた歯医者はキャンセルし、来訪者の予定が11:00にあったので対応して外を見たら積雪が・・・。

ここ連日きているH 社で、所長と担当の訪問である。

商道徳の問題なので、今更謝られても困るのである。

喧嘩をしても仕方がないので、当方の考え方を述べて帰ってもらった。

 この事について何度か書いてきたが、「企業の姿勢」が明確に出ていると思った。

人間は元来保守的な存在であろう。

ある状況になれると、特に強い動機でもない限り中々そこから抜け出そうとしない。

このサラリーマン達が上司の顔色ばかり見て道理を外した行動は、この会社の氷山の一角の出来事なのだろう。

ハウスダストの話

異常寒波の中、早くも花粉症で悩まされている人がいると、昨日は「AT-2000」を購入に来た。

今や、国民の7~8人に1人が花粉症だと言うから、そんな話がどんどん出てきても不思議ではない。

香港から久しぶりの来日のS氏を伴って、畳のショウルームを訪問した。

そこで、こんな話を聞いたので紹介したいと思う。

今、ヨーロッパでは床をフローリングから絨毯に変えていると言う。

なぜかと言うと、フローリングの床だとハウスダストの問題が発生しているというのだ。

そこで、絨毯を敷く事で、ダストの舞い上がりを抑えることができるらしい。

但し、ここで使う絨毯はウール製の物でないと効果が無いということだ。

ウールの持つ表面積の大きさや、吸水性能等がハウスダストによる被害を減少させているのだろう。

さすが畳のスペシャリスト。 床の事を勉強している。

 

香港の友人が来日

大雪が道路に残っていて車を走らせるのは厭だな、と思って家にいた。

午後2時半頃、電話が鳴り出てみると、香港の友人が成田に到着したとの事。

12日に来日すると聞いていたのが、11日に着いたので雪が残る中を東京・日本橋のホテルに会いに行った。

会うのが3年ぶりであるが、随分と痩せていてどうしたかと思うほど。

話は電話で聞いていたのだが、会って色々聞いてみると中国での仕事で大変な思いをしていた。

中国で工場を稼働する日系企業で、1日に5万食を提供する会社を経営していた。

ところが、日中関係の悪化によって工場の縮小や閉鎖が相次いだ。

ところが、労働者の削減には中国の法律が足かせになって、物凄い費用がかかるのだそうだ。

支払いができないと拘束されるとかで、多くは国外に逃亡するのだそうだ。

氏は私財を全て処分して支払いを済ませ、無一文になってしまった。

それにしても恐ろしい国であり、恐ろしい国民だと何度も口にしていた。

中でも、一番信頼していた女性に裏切られ、殆どの資産を持って行かれたた事が決定的なダメージを与えたのだ。

もう一度の巻き返しを図るべく、今回の来日だった。